昔話学校編2 僕のミニカウンセリング   1992/8/27

中学校2年担任です。

保護者懇談会で関口君(仮名)のお母さんが「うちの子、女子にいじめられて・・・」ということを話されました。僕は全く気付かなかったのでびっくりしました。「本人が困っているのでしたら、明日僕のところへ来るように言ってください。相談にのりますから。」と言って帰ってもらいました。

次の日、彼は僕のところに来ました。別室に行き、話を聞きました。

「荒川さん(仮名)が僕のことを嫌うんです。掃除で彼女の机を触ると、汚いものを触ったかのように振る舞うし・・・」

 「僕の悪口を言うんです。苅田君(仮名)に聞いたんです。」

「こっちのほうをへんな目で見るんです。」などなど。

 いっぱい嫌われている証拠、本当かどうかわからない事実(思い込み)をいっぱい僕に話してくれます。聞いていると少しいやになってきそうです。 

「で、君はどうしたいのかな」と僕は言いました。彼はポカーンとしたままです。 

「自分で相手の人にお願いしてみますか」と聞くと 

「いや、それは・・・・」と関口君。 

「じゃ、僕のほうから話しましょうか」と聞くと 

「いや、やめてください」と彼。 

そしてまた、いかに自分が他人から嫌われているかを一生懸命話します。切れを見て「君はすべての人に好かれたいと思っていませんか」と僕。そして少し話をしました。

「一人か二人、自分を嫌った人がいてもいいじゃないですか。で、君の友達はだれですか」と聞くと

「明川君と~君と~君」 

「いっぱいいますね。じゃ、彼らと友達としてきちっと付き合っていけばいいし、そして少しずつ友達を増やしていけばいいと思うよ。」

「また困ったことがあったら相談に来てください。」で終わりにしました。 

あとで、お母さんにも連絡をして様子を聞きました。お母さんは「『先生にいい方法を教わった』と言って元気になっています。」とのこと。

 7月の出来事でした。